高橋奈己/白磁のオブジェ

教室の入口に先生方の作品展の案内の葉書きが置かれる。
先生方はみな個性的なので、いつか都合をつけて作品を見にでかけてみたいと思っていた。

今回は日本橋高島屋の7階が会場で、
美術大学出身作家による「暮らしの中のオブジェ展」で高橋奈己先生が出品されている。
ぜひ作品を見たいと思っていたので会場に出向いた。

私は昨年2月に体験教室を経て、その後なんだか時間がかかり7月になってようやく通い始めた。
なにごとも逡巡しながら・・・始めるともうはまってしまう性質である。
都合のいい日を選べるチケットコースを選んだ。
初心者は棚にある見本からはじめられるようでもあるが、私は不敵にも作りたい形があった。
まずは花器からはじめよう。何となくのイメージがあり台から積み上げていった。

奈己先生は、わたしが通い始めて3度目位にお目にかかった。
「どうですか」
直球で声をかけてくださる。
なにをどう聞いていいかわからず、紐の重ねもオットットトいう感じである。
「ちょっとみてみましょうか」 隣の椅子に座り
いとも鮮やかに紐を作り作業台の上を濡らしコロコロと転がし、紐の重ねの留意点を端的に示して下さる。
(ほほう、そういうふうに持っていくのか)、感心しながらみていると半分もいかないところでバトンタッチ。
「やってみてください」
(はい)
ええっとこうだったのかしら、悪戦苦闘しているところをはたから何気なくみておられる。
次にまた、『困った』という風にしていると
「どうですか」
そして、なにがどうかを教えてくださる。

どうにか花器という形になったが、デコボコをすっきりさせたいと言った。
「では削りましょう」
ここからが目から鱗であった。
手動のろくろを緩急にまわし、刃をあてて余分なものがそぎ落とされていく。
重い衣を脱ぐようである。
みるみるいいラインがでてきた。
「やってみてください」
(・・もうすこしやってもらいたい)
ここのところを乗り越えて、奈己先生のテクをなぞろうと思ってがんばってみたがそんな容易いものではない。
何度も何度も回しながら、まるで縄跳びの縄にとびこむようなタイミングと力加減を練習をした。
「どうですか」
いよいよ口元の仕上げのところになりいろいろな方法をやって見せて下さった。
そこで先生の指をみて、思わず長い指ですねと言った。
「これ、うまれつきです。」と笑って言われたがあとで言い方が悪かったかなと思ったりした。
しかし、土と向かういい指をしておられる。
その上左利きということだ。
魔法のような指である。

奈己先生が19日土曜は1時から会場におられるということなのでその時間に合わせていき、
ようやく先生の作品に対面した。
「すてきですね」
素直すぎるがそのままのことばがでた。
食器の白はプロの料理人の舞台である。食材で造形色あいを表現できるから白が一番映える。
陶磁器も、肌合い形が白で映える。
奈己先生の白のオブジェは感覚的で、光を味方にしておもしろい表情を見せる。
レリーフをまとったオブジェは数種類あった。
いつもは迷わないでものを決める私だが、これ?あれ?と目が移り、
しかしやはりはじめに目に付いた中型のものを選んだ。
ほかのシェイプもあるのですか、と聞くと
9月2日に、場所は目黒の「グラスホッパーギャラリー」にて
高橋奈己 展/白磁を、開催される。

デパートの係の方が包んでくださる間椅子を勧めていただき少しお話をした。
この大荷物、日本橋のしまね館で郷里のそば茶などを買い込んだものですからと言うと、
奈己先生は、少し前島根県立古代出雲歴史博物館へ出向かれたという。
国立博物館で銅鐸にみせられ、しまね館で調べ島根にある銅鐸を見たくて直行されたという。
これが欲しかったのでと、携帯ストラップの銅鐸を揺らしてみて下さった。
作品の題材にされますかと聞くと、
いいえ銅鐸は神々しいものです といわれた。
その謙虚な感じ方に純粋な感覚をお持ちだなと改めて思った。



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